三代目たまご農家の市田旭宏です 。洋菓子店で2 ~ 3ヶ月間の修行を経てなんとかシュークリーム、プリンなどの作り方を身につけその頃にはお店の厨房も出来上がり、ついにココテラスの試作品作 りが始まりました。日夜、試作品を作っては、近所の方々へ持参し感想をいただいたり、地元の方々に来 ていただいてモニター会を開き、そこでも試作品の試食をしてもらい意見を頂戴しました。
その中には「これはとてもじゃないけど売り物ではない」「こんなのはシフォンケーキとは言わない」など耳の痛いご意見をいただくことも少なからずありました。今となってはとても有難いことでした。
それをもとに、日々改良を進めていきましたが、そんな中でも、特にプリンはとても高い評価をいただいたのです。「たまごの濃厚さが伝わる」と。プリンにはたまごと牛乳と砂糖とバニラだけで他には特別 な素材は使っていません。そこで美味しいと思ってもらえるのなら、それは主な原料であるたまごと牛乳の素材が素晴らしいからと、気づかされました。お菓子は素材次第でこんなにも美味しくなるものなのだ と、作り手となって初めて実感することができました。そして「これはうちの代表的な商品になる」と確信したのです。
しかし、いかに美味しくとも、より多くの人に届けないと商品が完成した ことにはなりません。「早くこのプリンを多くの人に食べてもらって驚いて欲しい。」という気持ちが抑えきれず、完成したオープンのチラシを手に当時のスタッフと近所の家に押しかけ、皆で協力して約3,000軒にチラシを配り歩きました。それがオープン後の更なる苦難のきっかけになるとは知らず。
デイリーファーム 専務 市田 旭宏